歴史ウォーク

7年に一度の「御柱祭(おんばしらさい)」とは?

御柱祭
木落し
ランラン

「御柱祭」ってどんなお祭りか知っている?

長野県諏訪(すわ)地方で、数え年で7年に一度開催(かいさい)されるお祭りだよね。

ワイファイ
ランラン

そうなんだ!どうして7年に一度しか行われないんだろう?

どうしてだろうね?お祭りにはどんな意味があるのかも気になるね。じゃあ、今日は御柱祭の歴史について学んでみよう!

ワイファイ

1200年以上一度も中止になっていないお祭り!?

下社秋宮
下社秋宮

「御柱祭」は、長野県にある「諏訪大社(すわたいしゃ)」で開かれるお祭りで、正式には「式年造営御柱大祭(しきねんぞうえいみはしらたいさい)」といいます。数え年で7年に一度(数え年は行われた年を1年目と数えるので、正確には6年に一度)、諏訪地方(6市町村)で行われ、近年でも氏子(うじこ、その地区に住みその土地の神社を信仰(しんこう)する人)20万人以上と地元の人や観光客が参加する、諏訪大社で最も大きなお祭りです。
諏訪大社は諏訪湖周辺に4カ所の境内地をもつ神社で、日本最古の神社のひとつとされています。

御柱祭は、決められた年に社殿や御柱を建てかえるお祭りのこと。近年は宝殿(ほうでん、宝物をおさめておく建物)が造りかえられています。三重県の伊勢神宮が20年に一度造りかえるのに対し、諏訪大社では数え年で7年に一度、干支(えと)で数えると寅(とら)と申(さる)の年に造りかえるのも特徴(とくちょう)。
さまざまな説がありますが、寅と申には「動く」という意味があり、草木や作物の成長に通じて縁起(えんぎ)が良いという理由から、7年ごとに行われるようになったとされています。お祭りでは樹齢(じゅれい)200年ほどのモミの大木が16本選ばれ、山や里をこえて運ばれていきます。このお祭りは長野県の「無形民俗文化財(むけいみんぞくぶんかざい)」に指定され、天下の大祭として知られています。

室町時代に書かれた『諏訪大明神画詞(すわだいみょうじんえことば)』に御柱祭についての記録が残っており、804(延暦(えんりゃく)23)年から信濃国(しなののくに、現在の長野県)で行われるようになったとされていますが、お祭りの正確な由来はわかっていません。長い歴史上、争いや戦争の影響(えいきょう)でやむを得ず中止を決断した行事が多い中、御柱祭はこれまで開催を中止したことはなく、1200年以上とぎれることなく行われてきました。ときにはお祭りの費用を調達するため、結婚式(けっこんしき)や葬儀(そうぎ)、家を建てることが禁じられるなど、地域(ちいき)を挙げてお祭りに協力することもあったようです。

数千人で力を合わせて大木を運ぶ!

里曳き(さとびき)
里曳き(さとびき)

御柱祭では、「上社前宮」「上社本宮」「下社春宮」「下社秋宮」の4カ所までモミの大木を運び、社殿の四方に神木を建てていきます。直径約1m、長さ約17m、重さ約10tにもなる大木は、1本につき1000人から3000人の氏子が協力し、計16本を人力で運ばなければなりません。

お祭りは春の時期に行われ、4月は3日間かけて山から里へ大木を運ぶ「山出し」を行います。大木とともに坂を下る「木落し」や冷たい川をわたる「川越し(かわごし)」は大迫力(だいはくりょく)で、御柱祭最大の見せ場です。続けて5月の3日間で行われる「里曳き(さとびき)」では、里からお宮へと大木が運ばれていき、騎馬(きば)行列や花笠(はながさ)おどり、長持ち行列など、はなやかな演出でお祭りをもり上げます。

御柱祭の流れ

  • 4月「山出し」
  • ・山から事前に選定した大木を切り出す
  • ・数々の難所(なんしょ)を人力だけで運んでいく
  • ・「木落し」では大木に氏子を乗せたまま、坂を一気にすべり下りる(下社)
  • ・川の中に落とされる「川越し」のあと、大木は御柱屋敷(おんばしらやしき)で1カ月保管される(上社)
  • 5月「里曳き」
  • ・大木の樹皮(じゅひ)をはがし、御柱屋敷からお宮まで運んでいく(上社)
  • ・柱の先がするどく(三角すいの形に)なるよう切り落とし、大木に氏子がしがみついたまま建てる

次回の神事は2022年4月に開催予定

建御柱(たておんばしら)
建御柱(たておんばしら)

前回は2016(平成28)年に行われた御柱祭。次回は2022(令和4)年4月に開催される予定です。7年に一度しか見られない貴重(きちょう)なお祭りを体験しに、長野県諏訪地方へ行ってみるのもいいでしょう。

氏子のお祭りなので実際に参加はできませんが、迫力満点のお祭りの様子は見学可能。とくに、長さ約100mの急な坂をすべり下り、冷たい川の中で大木を運ぶ様子は豪快(ごうかい)で、見ごたえも十分あります。また、お祭り当日は見学者用の観覧(かんらん)席も作られるので、じっくりとお祭りを楽しむこともできますよ。

この機会に、ぜひ体感してみてくださいね!

ランランちゃんランランちゃんの
今日のまなび

  • 寅年、申年には草木や作物の成長に通じる縁起の良い意味があることから、数え年で7年に一度お祭りが行われるようになった

  • 1200年以上とぎれることなく開催され、天下の大祭として知られている

  • 直径約1m、長さ約17m、重さ約10tもの大木16本を、人間の力だけで運んでいる

取材協力

上社本宮
上社本宮

信濃國一之宮(いちのみや) 諏訪大社

長野県の諏訪湖周辺に4カ所の境内地をもつ神社。全国各地にある諏訪神社の総本社で、国内にある最も古い神社のひとつとされています。諏訪大社は本殿と呼ばれる建物がない「諏訪造り」が特徴です。

Twitter シェアする Facebook シェアする LINE シェアする