自宅学習をはじめる前に考えよう! 鉄則は「リビング学習」と「ゲーム感覚の仕掛け」

自宅学習をはじめる前に考えよう! 鉄則は「リビング学習」と「ゲーム感覚の仕掛け」

目次

 

小学校低学年期の自宅学習について、第1回、第2回のコラムでは自宅学習がいかに大切か、また小学校低学年期までに始めることの重要性について考えました。
とはいえ実際に自宅学習を始める際、どのような点に注意したら良いのか、家族はどのように関わるべきなのかと悩む方も多いのではないでしょうか。

第3回となる今回のコラムでは、学校の勉強を楽しく確実に理解していくことを目的に開発された、オンライン学習教材「デキタス」の監修・サポートをする城南進学研究社の菊地先生に、自宅学習の始め方を教えていただきました。

 

  • 自宅学習を始める時には、どんなことに注意しながらサポートすると良いのかなぁ?

 

須川裕子先生

菊地 喜文 先生
オンライン学習教材「デキタス」の監修・サポートをする城南進学研究社の講師。
大学受験予備校や個別指導での小・中・高校生への学習指導に30年従事し、保護者様とも学習面の悩みや相談を多く受けてきた。中3生、一児の父。

自宅学習を始める時の環境づくりや保護者の方が注意すべきポイントについて、考えてみましょう。

低学年期の自宅学習は、親の目が届くリビング学習が王道!

 

第1回のコラムでご紹介した通り、学習指導要領の改訂など教育改革の波を受け、子どもたちの学習範囲は確実に広がっています。そんな中で、学校の学習内容を確実に定着させ、小学校高学年期以降の発展的な学びに備えるためには、学校が用意する宿題だけでは不十分なケースも考えられます。
ひとつひとつの学びを着実に記憶に残し、スムーズに引き出せる状態にするためには、宿題+αの自宅学習が欠かせません。

そこで、小学校低学年期から自宅学習に取り組む第一歩として、勉強がはかどるために家族ができるサポートについて考えてみましょう。
菊地先生は、小学校低学年期の自宅学習には「リビング学習がおすすめです」と話します。

「勉強部屋がないという相談を受けることもありますが、小学生低学年期まではリビング学習を推奨しています。まだ集中力が続く時間が短いこともあり、一人で部屋にこもっていては、興味の矛先があちこちへ向いてしまうことも。保護者の方にとっても、どんな様子で取り組んでいるかを確認できるため、声を掛けたりほめたりするタイミングを逃さないというメリットがあります」

また低年齢期は、どこがわからないのか、何を質問したら良いのか子ども自身が理解できていないことが大半。
保護者がつまずきに気付き、考えるためのヒントを与えることで、勉強の中断や諦めを防ぐことができるという利点もあるのです。

 

  • リビング学習ならすぐに質問ができ、見守ってもらっている安心感があるよね。

 

学習効率を上げるためには、家族の雰囲気づくりが鍵

 

一方で、リビング学習で成果を上げるためには注意点もあるとのこと。
大前提として、テレビなどのメディアは消してください」と話す菊地先生。
その他にもお菓子やおもちゃ、ゲームなど子どもが興味を惹かれそうなものは見えないところに片付け、環境を整えることが大切とのこと。

もちろん学習効率を上げるためには、保護者や兄弟姉妹の振る舞いも重要です。
いくら目の届く場所にいるからといって、保護者の方が隣でスマートフォンばかり見ていたり、テレビを観ていたり、兄弟姉妹がゲームをしていたりすれば、子どもが勉強に向き合う意欲も下がってしまいます。隣に付き添うのであれば保護者自身も読書をする、周囲にいる家族も勉強の時間にあてるなど、学習へのモチベーションが高まる雰囲気をつくってあげてください

加えて環境づくりという視点からのアドバイスとして、照明の明るさに関する留意点も。
リビングの場合、照度の低い照明が付いていたり、手元が陰になってしまったりというケースも。机上や手元を照らせるようなライトスタンドを備えると良いでしょう」と環境づくりの具体策を教えてくださいました。

 

  • 気が散らないように、家族みんなで勉強する空気をつくらないとね!

 

“見る、読む、書く”など多角的なアプローチで記憶のフックを増やす

 

新しいことの覚え方にも、小学校低学年期ならではの工夫が必要です。
菊地先生によると「興味の範囲がどこにあるかによって、覚えるスピードも深さも十人十色。個々にとって身近なこと、関心の高いことなどと結び付けていくことで、記憶に残りやすくなります」とのこと。
子どもの個性や特性を誰よりも理解している保護者の方が、その子にとって最適なことと紐付けてあげることが知識の定着につながるのです。

加えて、五感を使って覚えることも効果的とのこと。
五感を使うことで記憶力が上がるということは、脳科学の観点からも唱えられています。英語の授業で子どもたちに英単語を覚えさせる時も、書くだけ、見るだけではなかなか覚えられません。例えば“見る+読む+書く”のように、3つの感覚を使うようなレッスンをしています」と菊地先生。

また歌にして、リズムに乗せて覚えることも効果的であるというアドバイスも。
菊地先生曰く「脳は一度目にしたもの、耳から聞いた情報を実は全部蓄積しています。記憶力が乏しいというのは覚えられないのではなく、思い出せないという現象なのです」。
だからこそ学習段階で記憶を引き出し、思い出すためのフックをいかに多くつくっておくかが、記憶力の定着を左右するのです。

 

  • 五感を使って勉強すると、楽しく効果的に覚えられそう。

 

鍵を開けてチャレンジ!ゲーム感覚で楽しめる仕掛けも効果的

 

子どもが勉強を苦痛に感じることなく楽しむためには、チャレンジしたいという気持ちを搔き立てる、好奇心をくすぐる仕掛けも重要なポイントになります。

「デキタス」では、基本問題の次のステップとして、チャレンジ問題を用意。基本問題で間違えた問題を蓄積した「キミ問(=キミだけの問題)ピックアップ」を解き、基本問題を全問クリアすると、チャレンジ問題の鍵が開く仕掛けになっています。随所にゲーム性を散りばめることで「攻略したい!」「鍵を開けたい!」というように子どもの挑戦意欲を引き出します。

ただし、子どもの“チャレンジしたい”という気持ちを削がないためには、ほめ方や進め方にもちょっとした配慮が必要に。
チャレンジ問題は難易度の高い設問になっているので、無理に全部解くように促すと気持ちが萎えてしまうことも。お子さまのレベルや意欲に合わせて『今日はこの問題だけ頑張ってみようか』『10分で解ける分だけ取り組んでみようか』など、保護者の方が調整しながら無理なく自宅学習を始めることがコツ」と菊地先生。

さらに教育現場での実例にも言及。「お子さまの性格にもよりますが、正解しなくちゃダメ!と完璧を求めすぎるあまり、難しい問題にチャレンジして追い込まれてしまうお子さまもしばしばいます。日々の自宅学習での間違いは「何度でもやり直せるよ」「次に取り組む時に正解につなげればいいことだよ」としっかり伝えてあげてください」と菊地先生。

子どものチャレンジ欲を引き出し、能力を最大限に引き出すためには、保護者の舵取りが不可欠なのです。

 

  • 「デキタス」は好奇心をくすぐる仕掛けがいっぱいあるから、楽しみながら次から次へと取り組みたくなるね。

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