eスポーツの主なジャンルとタイトルまとめ(前編)

eスポーツの主なジャンルとタイトルまとめ(前編)

以前、eスポーツの定義や日本国内の取り組みについてまとめた記事を公開しました。
テレビや新聞でも「eスポーツ」という言葉をよく見るようになりましたが、実際にどんなことが行われているのでしょうか。

 

実際のスポーツで言うところの「球技」や「陸上」にあたるゲームジャンルと「野球」「マラソン」にあたるゲームタイトルをまとめてご紹介!
これからeスポーツを始めたいと思っている方の参考になれば嬉しいです!

 

◆対戦型格闘ゲーム

対戦型格闘ゲーム(以下、格闘ゲーム)は、主にキャラクターが1対1で戦うゲームのジャンルです。
格闘ゲームを略して“格ゲー”と呼ばれることも多いですね。

 

画面上部にキャラクターの体力バーとタイマー、左右両端にキャラクターが対面するかたちが一般的。
ガードは打撃に強く、打撃は投げに強く、投げはガードに強いという三すくみを基本にしつつ、タイトルによってキャラクターや必殺技に個性があります。

 

格闘ゲームのタイトルは2D格闘ゲームと3D格闘ゲームのふたつに大別されます。
2D格闘ゲームは向かい合ったキャラクターが左右に移動したり、上にジャンプして戦います。
一方で3D格闘ゲームは向かい合ったキャラクターが左右に加えて画面奥、画面手前に移動して戦います。

 

以下、代表的な格闘ゲームの一部をご紹介します。

 

●ストリートファイター(1987年~)

ストリートファイター35周年記念サイトから引用

 

1987年にカプコンの『ストリートファイター』がゲームセンターで稼働開始しました。
1970年後半から1980年代のゲームセンターでは『スペースインベーダー』や『グラディウス』といったシューティングゲームが全盛期を迎えていましたが、1991年に『ストリートファイターII』が稼働開始すると爆発的な大ヒットに。
「ゲーム筐体における最高のセールスを達成した格闘ゲーム」「コンボを使用した最初の格闘ゲーム」といった数々のギネス記録をもつほどです。

 

現在でも格闘ゲームといえば『ストリートファイター』というイメージは根強く、2D格闘ゲームの金字塔として、以降の他タイトルにも影響を与えています。

 

ストリートファイター6公式サイトから引用

 

2016年に『ストリートファイターV』が発売され、アップデートを繰り返しながら現在に至ります。
2023年6月2日には最新作『ストリートファイター6』が発売予定で、近年のタイトルはインターネットを通じたオンライン対戦が盛んです。

 

●サムライスピリッツ(1993年~)

SAMURAI SPIRITS PORTALから引用

 

1993年にSNKの『サムライスピリッツ』がゲームセンターで稼働開始しました。
ゲームセンターでは先述した『ストリートファイターII』が流行するなか、『サムライスピリッツ』はキャラクターが刀やレイピア、鎖鎌といった武器を持って戦う格闘ゲームとして注目を集めました。

 

簡単に逆転が起きる一撃の破壊力や、江戸時代を舞台にした世界観が魅力。
剣士、忍者、歌舞伎役者、戦士、アメリカン忍者など個性的なキャラクターも人気の理由です。

 

●バーチャファイター(1993年~)

バーチャファイターポータルから引用

 

1993年にセガの『バーチャファイター』がゲームセンターで稼働開始。
『ストリートファイターII』や『サムライスピリッツ』と同時期ですが、これまでの常識を覆す世界初の3D格闘ゲームとして注目を集めました。
キャラクターが左右に加えて画面奥と画面手前に動く革新的なゲームシステムによって対戦の駆け引きの奥深さが増しました。

 

また、それまでドット表現されることが基本だったキャラクターやステージが、ポリゴンのグラフィックで描画されたことも『バーチャファイター』の特徴のひとつです。

 

2021年には『Virtua Fighter esports』が発売され、「EVO Japan 2023」のメインタイトルにも選ばれています。

 

●ザ・キング・オブ・ファイターズ(1994年~)

THE KING OF FIGHTERS PORTAL SITEから引用

 

1994年にSNKの『ザ・キング・オブ・ファイターズ '94』がゲームセンターで稼働開始。
当時人気を博していたSNKの『餓狼伝説』や『龍虎の拳』、『怒』、『サイコソルジャー』といった名作タイトルからさまざまなキャラクターが参戦したドリームマッチが話題になりました。

 

また、“格闘ゲームといえば1対1のタイマン勝負”という固定観念を覆す「チームバトル」を採用しているのも人気の理由。
1995年発売の「ザ・キング・オブ・ファイターズ '95」ではプレイヤーが好きなキャラクターでチームを編成できるチームエディット機能も加わり、対戦の奥深さが増しました。

 

THE KING OF FIGHTERS PORTAL SITEから引用

 

最新作『THE KING OF FIGHTERS XV』は、「EVO 2022」や「EVO Japan 2023」のメインタイトルにも選ばれており、世界的に根強い人気があります。

 

●GUILTY GEAR(1998年~)

GUILTY GEAR シリーズサイトから引用

 

1998年にアークシステムワークスの『GUILTY GEAR』がPlayStation向けに発売。
ファンタジー要素あふれる世界観とキャラクター設定を取り入れた新鮮さとスピーディーかつ派手なバトルが人気を呼びました。

 

GUILTY GEAR -STRIVE-公式サイトから引用

 

2000年以降の続編ではゲームセンターでも稼働しながらファンを獲得。
2021年発売の最新作「GUILTY GEAR -STRIVE-」ではeスポーツ展開を加速させ、アークシステムワークスが主催するeスポーツ大会「ARCREVO」も毎年盛り上がりを見せています。

 

●大乱闘スマッシュブラザーズ(1999年~)

ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ公式サイトから引用

 

1999年に任天堂の『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』がNINTENDO64向けに発売。
登場キャラクターはマリオを筆頭に、『ゼルダの伝説』シリーズからリンク、『メトロイド』シリーズからサムス、『星のカービィ』シリーズからフォックス、『ポケットモンスター』シリーズからピカチュウなど。
ゲーム会社やタイトルの垣根を超えた主人公級のキャラクターたちが一堂に会したタイトルです。

 

従来の格闘ゲームとは異なり、ダメージを蓄積させて画面外に相手を吹き飛ばすことで勝利となる独特なルールが特徴。
4人同時対戦、戦闘の助けや妨害になるアイテム、ギミック盛りだくさんのステージなど、みんなでワイワイ楽しく遊べるゲームデザインは、それまで“大人向け”だった格闘ゲームの年齢層を拡大させることにも成功しています。

 

2018年に発売した最新作『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』には世界中のゲームから80体以上のキャラクターが参戦し、2022年12月末時点で累計販売本数は3,044万本を記録しています。

 

◆パズルゲーム

パズルゲームは、パズルをコンピュータゲームとしてプレイできるようにしたゲームジャンルです。
そのかたちに明確な定義はなく、題材にするパズルによってルールは多岐にわたります。

 

・ジグソーパズル
・ナンプレ(数独)
・四川省(二角取り)
・マインスイーパー
などもパズルゲームに分類されることがあります。

 

以下、eスポーツとして盛んなパズルゲームの一部をご紹介します。

 

●テトリス(1984年~)

1984年にソビエト連邦の科学者アレクセイ・パジトノフが『テトリス』をエレクトロニカ60向けに開発。
上から落ちてくるさまざまな形のブロックを積み上げていき横一列に揃ったら消えるというシンプルなルールでありながら、頭を使う奥深いゲームとして1985年にはIBM PCに移植されて急速に広まりました。

 

「ギネス世界記録 2009 ゲーマーズエディション」では史上最高のコンソールゲームベスト50で2位にランクイン。
落ち物パズルゲームの元祖として、その後のパズルゲームに大きな影響を与えています。

 

●ぷよぷよ(1992年~)

セガアーカイブスサイトから引用

 

1992年にコンパイル(販売はセガ)の『ぷよぷよ』がゲームセンターで稼働開始。
同社が開発するRPG『魔導物語』に登場するキャラクターが登場し、落ちてくる“ぷよ”を同じ色同士で消していくというパズルシステムは2023年現在まで引き継がれています。

 

ぷよぷよeスポーツ公式サイトから引用

 

『テトリス』を筆頭にした空前の落ち物パズルゲームブームを支えてきた『ぷよぷよ』シリーズ。
2018年には対戦に特化した『ぷよぷよeスポーツ』が発売され、「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」などで熾烈な戦いが繰り広げられています。

 

●パズル&ドラゴンズ(2012年~)

ガンホー・オンライン・エンターテイメント公式サイトから引用

 

2012年にガンホー・オンライン・エンターテイメントの『パズル&ドラゴンズ』がスマートフォン向けに配信。
同じ色のブロック(ドロップ)を繋げて消すシンプルなルールにRPG要素が加わった3マッチパズルゲームです。

 

スマートフォン黎明期を代表するアプリで、2023年現在もサービス継続中。
日本国内においてサービス期間が長いスマートフォン向けゲームアプリのひとつです。

 

対戦機能が実装されてからはeスポーツとしても盛り上がりを見せ、全国都道府県対抗eスポーツ選手権の競技タイトルにも選ばれています。

 

●ぷよぷよテトリス(2014年~)

ぷよぷよテトリス公式サイトから引用

 

2014年にセガの『ぷよぷよテトリス』が発売。
落ち物パズルゲームの2大巨頭と言っても過言ではない『テトリス』と『ぷよぷよ』が1つのゲームとして登場しました。

 

テトリス同士やぷよぷよ同士はもちろん、「テトリス対ぷよぷよ」という異種対決にも対応したことが話題になりました。
2020年に発売した続編『ぷよぷよテトリス2』にはスキル要素が追加され、さらに競技性を高める取り組みも行われています。

 

◆スポーツゲーム

スポーツゲームは、スポーツをコンピュータゲームとしてプレイできるようにしたゲームジャンルです。
実在するスポーツをリアルまたはデフォルメ化したタイトルが多いですが、現実世界では再現できないオリジナルスポーツを題材にしたタイトルも人気です。

 

以下、eスポーツとして盛んなスポーツゲームの一部をご紹介します。

 

●実況パワフルプロ野球(1994年~)

eBASEBALLパワフルプロ野球2022公式サイトから引用

 

1994年にコナミの『実況パワフルプロ野球'94』がスーパーファミコン向けに発売。
従来の野球ゲームにはあまり見られなかった、ピッチングしたボールの高低差を表現し、バッターはカーソルを上下左右に動かしてヒッティングします。

 

登場するキャラクターは日本野球機構(NPB)のプロ野球に出場する実在選手が中心ですが、シリーズを通して2頭身というデザインが特徴です。

 

2018年には一般社団法人日本野球機構と株式会社コナミデジタルエンタテインメントが共催する「eBASEBALL プロリーグ」が発足。
プロ野球の各球団とeスポーツ選手が契約し、「eペナントレース」「e日本シリーズ」といった実際のプロ野球さながらの戦いを繰り広げます。

 

●ウイニングイレブン(1995年~)

1995年にコナミの『Jリーグ実況ウイニングイレブン』がPlayStation向けに発売。
Jリーグが開幕した1993年の2年後に発売した本タイトルは、タイトルの通りJリーグを舞台にしています。

 

シリーズを重ねて世界のクラブチームも実装。
2021年には“ウイニングイレブン”から“eFootball”へブランドタイトルを変更し、『eFootball 2022』および最新作『eFootball 2023』は基本プレイ無料のタイトルとして大きな方向転換を図りました。

 

●グランツーリスモ(1997年~)

グランツーリスモ・ドットコムから引用

 

1997年にポリフォニー・デジタル(販売はソニー)の『Gran Turismo』がPlayStation向けに発売。
物理シミュレーションやグラフィック、サウンドに至るまで実際のレースを忠実に再現していることで話題になりました。

 

グランツーリスモ7公式サイトから引用

 

シリーズ25周年を迎えた2022年には最新作『グランツーリスモ7』が発売。
ハンドルコントローラー(ステアリングコントローラー)を使った操作感や最新技術で再現されるグラフィックとサウンドは、もはや現実のレースと違いが分からないほどになりました。

 

2016年にグランツーリスモの世界チャンピオンに輝いた冨林勇佑選手は、2018年に実車レースへ進出。
世界初のeスポーツレーサー兼リアルレーサーとして活動していることでも知られています。

 

●ロケットリーグ(2015年~)

ロケットリーグ公式サイトから引用

 

2015年にPsyonixの『ロケットリーグ』が家庭用ゲーム機、PC向けに発売。
ジャンプやロケット飛行ができる車を操作してサッカーを行う架空のスポーツが題材です。

 

シンプルなルールでありながらハイレベルな戦いには高い技術が要求され、さまざまな戦法やテクニックによる高い競技性が特徴。
Psyonixは定期的にeスポーツリーグ「Rocket League Championship Series」を開催しています。

 

当初は有料タイトルでしたが2020年から基本プレイ無料に変更されたことで、さらにプレイヤー層を広げています。

 

今回は「格闘ゲーム」「パズルゲーム」「スポーツゲーム」から、さまざまなタイトルを紹介しました。
次回は「FPS/TPS」「MOBA」「RTS」「カードゲーム」を紹介するのでお楽しみに!

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