casa alla moda(カーサ アラ モーダ) 第8回

casa alla moda(カーサ アラ モーダ) 第8回

 

皆さま、こんにちは!
「casa alla moda カーサ アラ モーダ」(イタリア語で”おしゃれな家”という意味)を主催している丹下徹(たんげとおる)です。
私丹下はClubJiVEの男性向けファッション講師も務めさせていただいております。

 

倶楽部「カーサ アラ モーダ」とは男性ファッションスタイリスト(私)と女性ファッションスタイリスト(砂田ちなつさん)の2名で2021年4月に立ち上げた「大人の男女がお洒落して楽しく交流できる紳士淑女サークル」です。

会費は無料で年齢制限や入会条件は特にありません。
基本的には主催者や会員様からの紹介で入会することができます。
2023年10月現在で80名程の会員数となっています。

私達主宰者二人はファッションやアートや美食の国“イタリア”が大好きという共通点があります。
これまでにファッションとイタリアに関するコラムを6回ほど寄稿させていただきました。

そして7回目のコラムでは西洋服が形成された歴史を遡ってお話しさせていただく中で、スーツの出自は軍服であり、その起源は16世紀にヨーロッパで着用されていたフロックコート、そして直接的な原型は18世紀頃のラウンジ服だというお話をしました。
8回目の今回は、その後スーツがどのように変遷して現代の形となり、世界の人々に着られているのかを掘り下げていきたいと思います。

先出のように、スーツの起源は16世紀頃のヨーロッパで着用されていたフロックコート(写真左のロング丈上着)だと言われています。
そして当時先進国であったイギリスが洋服においてもリーダー的存在で、18世紀頃のイギリスにおいて、貴族がラウンジでくつろげるものをと作られた衣服(写真右のショート丈上着)が現在のスーツの原型となって以降、長らくイギリス式スーツがスタンダードとなり、そんなスーツが「ブリティッシュトラッド」と呼ばれるようになっていきます。

スーツのルーツとも言えるブリティッシュトラッドは、集団における階級・社会的組織や所属を表す衣装やユニホームとして着用されていた背景があるため、構築的で広めの肩幅~ウエストシェイプで逆三角形を強調するような男としての精悍さや威厳のあるスタイルが多く見られます。
そして雨が多く寒い気候により、打ち込みのしっかりした厚みと剛性のある生地が使われることも特徴です。
時が経ち19世紀後半~20世紀初頭に入り、その当時の世界をリードするアメリカでビジネスマン達がビジネスシーンでスーツを着用したことで世界中にスーツが急速に普及してゆきます。
そんな中でスーツの形もアメリカ式にカスタマイズされてゆき「アメリカントラッド」と言われるスタイルが形成されます。

アメリカントラッドの特徴は、合理主義・大量消費というアメリカの社会構造、そして気楽な着易さを良しとする国民性が反映されています。
機械での大量生産方式で、メリハリに欠けるボックスシルエットが特徴です。
言い換えればスーツを大衆化したのがアメリカントラッドだとも言えます。

そんな時代背景の中、ヨーロッパで歴史と伝統ある大国イタリアでも、のちに「クラシコイタリア」と呼ばれる自国のスーツスタイルが形成され華開いてゆきます。

クラシコイタリアスタイルの特徴は、アート芸術性・エレガント性・遊び心・自分らしさなどといった個性を重んじるラテン気質が宿っています。
そんな複雑なスーツのフォルムを実現できる能力を持つ職人文化や、ルネッサンスに代表されるような芸術を愛する国民性ゆえのパトロン気質があることもスーツ文化を醸成する支えとなります。
何よりスーツスタイルをファッション文化に昇華したことがイタリアの功績と言えるでしょう。
今現在のスーツスタイルは、世界の中でイタリアが先頭に立ちけん引しているのも頷けます。

日本では大正時代になると男性のスーツスタイルが徐々に一般化し、やがて日本のスタンダードファッションへとなっていきます。
因みにこの時代でスーツと言えば、職人の手によって一人一人の体型に合わせ作られるオーダーメイド(注文服)だけで、高級品でした。

やがて昭和時代の戦後から、機械の発達や産業のオートメーション化への移行に伴いレディメイド(既製品)による大量生産の時代へと変化していきます。
そうなることで生産コストも下がり、スーツが庶民の手が届く汎用品になっていきました。
すなわち、日本中に洋服文化が浸透し国民が普段でスーツを着るようになったのは今からおよそ100年位前のことです。

ちなみに、日本で流通しているスーツは、上記3大スーツスタイル(イギリス式・アメリカ式・イタリア式)のどれかを手本にしたもの、もしくは独自の解釈で特徴をミックスした本流スーツスタイルとは異なる亜種です。
ですから、日本国内でしか通用しないことも少なくありません。

以上、今回のコラムでは西洋服であるスーツがどのように変遷して現代の形となって世界の人々に着られているのかをお話しさせていただきました。
次回のコラムでは、実生活で着用する際に大切なスーツを形成する決まり事やルール、そしてTPOに合わせたドレスコードなどを解説したいと思います。

なお、このような紳士ファッションに関する幅広く奥深い情報は以下のYouTube番組やInstagramアカウントでご覧になれますので、ご興味ありましたらご覧くださいね。

 

YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCsS9TUZ3GgG-JLCktvPBqjw

 

Instagramアカウント artigiano_nagoya
https://www.instagram.com/artigiano_nagoya/

 

ClubJiVEにある様々なコンテンツを楽しんでいただきながら、本コラムでファッションについても新たな学び、気付きがありましたら嬉しく思います。

 

過去の記事はこちらからご覧ください

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回

丹下 徹

サークル名

Casa alla moda カーサアラモーダ

サークル⻑名

丹下 徹

URL

Facebook

活動概要

”おしゃれな家”という意味のイタリア語がサークル名です。
大人の男女がお洒落して楽しく交流できる紳士淑女サークルです。
ファッションコーデやテーブルマナーなどの講師である印象アップコンサルがサークル⻑を務めているので、社交場でのファッションやマナーのプロトコルの学びにもなります。
コロナ禍の期間は定期的にFacebook と Instagram でファッションに関する情報配信を続けています。

みんなのコメント
口コミ件数:
総合評価:
※口コミの削除・ニックネームの変更は「会員登録/ログイン」ボタンからログイン後「マイページ」から設定できます。
記事にコメントをするには会員登録が必要です。

関連記事 Related News

エンタメ

スバル360オーナーズクラブ名古屋 第14回

#趣味 #コラム #エンタメ #車 #曽我浩幸

2023.11.28

資産管理

Nコンパスネット 第10回

#年金 #コラム #おとなのマネー講座 #西村栄子

2023.11.16

エンタメ

SOUND BAR JAP 「大人のディスコ」 第5回

#趣味 #コラム #エンタメ #ディスコ #昭和ポップス #古野康一

2023.11.16

新着講座 New Lecture