継続のポイントは「緩急」と「自主性」 子どものやる気を引き出す“声掛け”とは?

継続のポイントは「緩急」と「自主性」 子どものやる気を引き出す“声掛け”とは?

目次

 

せっかく始めた自宅学習も、継続しなければ意味がありません。子どものやる気を掻き立て、ルーティーン化して続けていくためにはどのようなことに留意すると良いのでしょうか。

第4回となる今回のコラムでは、やる気を継続するためのポイントに着目。学校の勉強を楽しく確実に理解していくことを目的に開発された、オンライン学習教材「デキタス」の監修・サポートをする城南進学研究社の菊地先生が解説します。

 

  • 自宅学習を三日坊主で終わらせず、継続するためにはどんな工夫が必要なの?

 

菊地喜文先生

菊地 喜文 先生
オンライン学習教材「デキタス」の監修・サポートをする城南進学研究社の講師。
大学受験予備校や個別指導での小・中・高校生への学習指導に30年従事し、保護者様とも学習面の悩みや相談を多く受けてきた。中3生、一児の父。

楽しみながら継続させるためには、一人ひとりの個性に合わせた声掛けと考える力を育むことがポイント!

押したり引いたりを意識して、ペース配分のハンドリングを

 

せっかく始めた自宅学習も、継続しなくては意味がありません。子どもたちのやる気を保ち、向上させていくためには、保護者の関わり方が大きく影響を及ぼします。菊地先生は、保護者のスタンスについて“押したり引いたり”のバランスの取り方が大切とアドバイスします。

「日々の自宅学習の中で、勉強を始める時間帯には“今日はこの単元に取り組もうね”と1日の目標を親子で共有してください。そして子どもが勉強を始めたら、できる限り口出しをせずに見守る姿勢に徹しましょう」と説きます。保護者はつい「ここが間違っているよ」「きれいな文字で書きなさい」「ちゃんと消してから書き直して」などと小言を言いがち。しかし一度勉強を始めたら、自分で考える、自分で気付くということを重視したいものです。

そしてもう一つの“引くべき”ケースとして、意外な事例を挙げます。勉強を始めたばかりで、意欲に満ちたお子様に見受けられがちなパターンとして、1つの単元を終えるとすぐに次の単元へと進めたがるケースを指摘。「保護者の方もやる気が溢れる様子に嬉しくなり、喜んで薦めてしまいがちですが、頑張りすぎをセーブすることも時には重要。スタートダッシュで頑張りすぎると息切れしてしまうので、ペース配分をしっかり守れるようにハンドリングを」。

状況に合わせて「今日の目標は終わったから、残りの時間は一緒に遊ぼうか」など、手綱を緩めることも意識すると良いでしょう。

 

  • 頑張りすぎをセーブするのも、保護者ができる重要なサポートの一つなんだね。

 

問い詰めるのではなく、子ども自身の言葉を引き出す

 

自宅学習を継続するためのもう一つの鉄則は、子どもをイライラさせないこと」と話す菊地先生。ほめ方にも留意点があるそうです。

例えば「次はもっとできるはずだね」という声掛けは、一見ほめているように思いがち。しかし子どもの心理からすると「こんなに頑張っているのにまだ足りないんだ」「十分じゃないんだ」という落胆につながり、評価されていないと感じることも。

また他の子と比べることもタブー。「〇〇ちゃん、◇◇くんはこんなにできるみたいだよ、負けずに頑張ろう!」と発破をかけることは、苛立ちにつながる可能性もあります。それよりも、一人ひとりの成長や進歩に目を向けることで、自分のことをちゃんと見てくれている味方だという安心感を生むことができるそうです。

加えて菊地先生は、子どもとの向き合い方で意識すべき点として「言葉にならない言葉を引き出すこと」も挙げてくださいました。「子どもの気持ちが沈んでいる時に問い詰めるのではなく、自分の言葉で話せるように導いてあげてください。『何で宿題をしないの?』、『何で学校に行きたくないの?』と問い詰めるのではなく、『勉強が進んでいないみたいだけど、どうしたの?』と子ども自身の言葉で話せるように質問をしてあげましょう」。

これは、学習に臨む時の様々なシーンに置き換えることができます。小学校低学年期の子どもは、自分の思いや悩み、困っていることを認識して言葉で伝えるという行為がまだ十分にできません。保護者から「ここができていないよ」と直接的に指摘するのではなく、「どこが難しかったかな?」と自分自身で振り返るきっかけをつくる。その上で、自分の言葉で話すという訓練を日常的にくり返すことで、自分のつまずきや回答に辿りつけない理由を考え、気付き、質問する力につながるのです。

 

  • 声掛け一つで子どものやる気が高まり、自分で考える主体性の一歩につなげられるんだね。

 

ご褒美制度はリスク高!勉強をする本質的な喜びを伝えよう

 

学習に対するモチベーションを高めるための手っ取り早い方法として、真っ先に思い浮かぶのがご褒美制度。「ここまで頑張ったら…」「テストで○点取れば…」と物質的、金銭的なご褒美基準を設けることは、子どものモチベーションを瞬間的に高めるためには有効でしょう。しかし、ご褒美がないと頑張れないという状況を生んでしまうという、リスクが高い方法でもあります。

「年に1回、数年に1回の特別なテストや試験であれば、終わった後の楽しみとしてご褒美を設定することは、受験を乗り切るための一つの選択肢になり得ます。しかしご褒美が常態化してしまうと、ご褒美レベルをどんどん引き上げなくてはいけなくなり、経済的にも気力的にも限界が訪れます」と菊地先生。小学生であれば、目標の点数を取ったら「ハンバーグのソースを選んでいいよ」「ママが特別に鉛筆を削ってあげる」など、無理なく楽しみながら目標にできる、プチご褒美を工夫して提案してみましょう。

あくまでも勉強に取り組むモチベーションは、物質的なものではなく、勉強をすることの本質的な面白さに見出すべきです。「こういうことを学んで、わかるようになると楽しいよね」「昨日できなくて悔しい思いをしたことが、今日はできるようになって嬉しいね」など、自宅学習の際の日々の言葉掛けから意識付けをしていきましょう。

 

  • ご褒美が目標にならないように、普段からの意識付けが大切なんだね。

 

先取り学習は適性を見極めて。「難易度」より「できた!」を重視

 

子どもが自宅学習を負担なく続けるためには、先取り学習の取り入れ方にも注意が必要です。「学校の学習内容が完璧で、進度以上に進められる余地があれば先取り学習は非常に有効です。しかしテストの成績が70点程度や平均点を下回るという状況の場合は、進行中の学習内容の見直しや復習に時間を割くべきでしょう」と菊地先生。

基礎が整っていない状態で新しい内容を詰め込もうとしても、子どもの感覚としては難しい内容、できないことが積み重なっていく一方です。まずは、どのポイントで困っているのか、つまずいてしまっているのかという部分にしっかりと目を向けて、できることを増やしていきましょう。

その際に役立つのが「デキタス」の学習カレンダーです。学習量や達成度をカレンダー上で確認できるお役立ちツール。学習カレンダーを活用して親子で学習履歴や進捗を確認しながら、続けられていることを称え、一つひとつ「できた!」を増やしながら継続の土台をつくりましょう。

 

  • 「デキタス」の学習カレンダーを使いながら、達成感をやる気につなげよう。

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