
第16回『エビフライ』
目次
エビフライってどうして名古屋名物なの?
エビフライは名古屋発祥ではなかった!?
エビフライといえば、家庭やレストランで親しまれる洋食の定番メニューですよね。「なごやめし」としても有名ですが、実は名古屋で生まれた料理ではないことを知っていましたか?
エビフライは、日本で生まれた西洋風料理ではあるものの、名古屋発祥ではありません。明治時代の中期には、すでにエビフライについて書かれた文献(ぶんけん)があったようですが、発祥については東京のある洋食店で誕生(たんじょう)したという説や、天ぷらとカツをかけ合わせることで生み出されたという説などがあり、明確にはわかっていません。
では、一体いつからエビフライは「なごやめし」となったのでしょうか。
きっかけは、1980 年代にテレビタレントのタモリさんが「名古屋では“エビフリャー”が一番のごちそう」とネタにしたことでした。この発言によって「エビフライ=名古屋」のイメージが広がっていき、実際にエビフライを提供(ていきょう)する飲食店も増加していったのだとか。こうして、日本全国どこででも食べられていたエビフライは「なごやめし」となったのです。
タモリさんの発言の影響(えいきょう)は大きかったものの、エビフライが名古屋名物だと言われる理由には、エビの事情も大きく関係しているよう。愛知県の魚といえば、クルマエビって知っていましたか?
丸まった体の形が車輪に見えることからその名がついたクルマエビ。その漁獲(ぎょかく)量が全国有数の愛知県では、1990 年に「県の魚」に選ばれています。愛知県はもともと、エビになじみのある地域(ちいき)だったのですね。
名古屋発祥ではないエビフライですが、今ではすっかり「なごやめし」として親しまれる名物料理のひとつになりました。
名古屋ならではのエビフライに注目!
全国各地で食べられているエビフライ。だからこそ名古屋市内には、オリジナリティとアイデアあふれるエビフライを提供する飲食店がたくさんあります。
愛知県南知多町に本店を構える「まるは食堂」では、ぷりぷりアツアツのジャンボエビフライが名物。名古屋市内にも多く店舗(てんぽ)を広げ、「なごやめし」として親しまれています。
どの店舗でも、使用する魚介(ぎょかい)類は毎日、南知多の豊浜(とよはま)漁港から仕入れた新鮮(しんせん)なものばかり!あげたてのエビフライを食べに行きませんか?JR 名古屋駅店や中部国際空港店などもあるので、観光やおでかけの際に立ち寄りやすいのもうれしいですね。
そのほか名古屋市内には、エビフライにみそダレをつけて提供するお店や、エビフライをパンにはさんだサンドイッチを食べられるお店などがあり、飲食店による工夫はさまざま。地元でもなじみのある料理となっています。
名古屋ならではのエビフライを食べに出かけてみてくださいね!
自分でもやってみよう!名古屋流のエビフライアレンジ
- エビフライ 2 本を金シャチに見立てて器にもりつける
- きしめんやカレーなどほかの料理のトッピングにする
- みそダレをかけて食べる
ランランちゃんの
今日のまなび
-
「なごやめし」で有名なエビフライは、名古屋発祥ではなかった
-
タモリさんの発言がエビフライを名古屋名物にした
-
エビフライにも使われるクルマエビは「愛知県の魚」
取材協力
<参考サイト>
・愛知県「県の魚 クルマエビ」
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/koho/0000019120.html
・あいちのおさかなコンシェルジュ
https://www.pref.aichi.jp/suisan/osakana/info/011.html