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第24回『大垣の枡(ます)』

目次

大垣市が生産量日本一!枡ってどうつくるの?

ランラン

岐阜県大垣市って枡が有名なの?

そうそう。しかも、生産量が日本一なんだよ!

ワイファイ
ランラン

それはすごいね!でも、枡ってどうやってつくられているんだろう?

気になるよね。じゃあ今回は、大垣市の枡の歴史と枡づくりについて学んでみよう!

ワイファイ

大垣市は枡づくりに最適な土地だった

枡は、液体や米などの穀物(こくもつ)の体積(物体が空間にしめる大きさ)を量ることができる便利な道具です。体積は「勺(しゃく)」「合(ごう)」「升(しょう)」などとよばれる単位で数えられます。

枡の歴史は古く、今から 1300 年ほど前の奈良時代にはすでに存在(そんざい)していたことが確認(かくにん)されています。その後、戦国時代から安土桃山(あづちももやま)時代にかけて枡の大きさが全国的に統一されていきました。

現代では、全国の枡の約 80%を占(し)める、年間約 200 万個もの枡が大垣市でつくられています。今でこそ日本一の生産量を誇(ほこ)る大垣市ですが、枡づくりが始まったのは 1890(明治 23)年のこと。

名古屋の桶屋(おけや、桶などをつくって売る職人)のもとで修業を積んだ衣斐孝太郎(いびこうたろう)という人物が、大垣市に移り、枡づくりで商売を始めたことがきっかけだとされています。

また、大垣市で枡づくりが発展(はってん)したのは、地理的な理由が関係しています。枡はヒノキという木からつくられており、日本有数の産地である木曽地域(きそちいき、長野県南西部)や東濃地域(とうのうちいき、岐阜県南東部)からヒノキを運ぶ必要がありました。

その際に、大垣市内のあらゆるところに流れている地下水の水路が活躍(かつやく)。さらに、大垣市は日本のほぼ中心部にあるため、できあがった枡を全国にとどけやすかったのも理由とされています。

枡の単位の大きさってどのくらい?

  • 1 勺=18.039mL。1 合の 1/10 の大きさ
  • 1 合=180.39mL。枡の定番の大きさ
  • 1 升=1.8039L。1 合の 10 倍の大きさ

一つひとつの工程に職人技が光る!

枡づくりでは、釘(くぎ)を一切使いません。木に「組目(くみめ)」という溝(みぞ)を彫(ほ)り、溝同士を組み合わせることで枠(わく)の部分を形づくります。そのあと、底の部分は機械で圧をかけてつけていきます。

木の表面をなめらかにするための削(けず)る作業も、数回にわたって必要です。こうした作業に使う機械の手入れまでしっかりと行わなければ、高品質な枡をつくることができないのです。

枡はシンプルな見た目でありながら、熟練(じゅくれん)の職人技と手間暇(ひま)をかけてつくられています。1300 年もの歴史がある枡づくりの技術は、日本の守っていくべき伝統文化とも言えるでしょう。

 

大垣市でオリジナル枡づくりを体験しよう!

1950(昭和 25)年創業(そうぎょう)の老舗(しにせ)枡メーカー「大橋量器(おおはしりょうき)」の工場内にある、「枡工房(ますこうぼう)ますや」。

ここでは、一合枡の組み立てや削り作業など、本格的な枡づくりの体験ができます。職人が使っている機械と同じものを使うため、工場のリアルな雰囲気(ふんいき)も味わうことができますよ。

ほかにも大橋量器オリジナルの枡グッズを手に入れたり、店の内装(ないそう)や食器として枡が使われているカフェ「masu cafe」に立ち寄ったりするのもおすすめ。大垣市で枡の魅力(みりょく)や歴史をたっぷりと感じてみてくださいね!

 

ランランちゃんランランちゃんの
今日のまなび

  • 大垣市では、日本における枡の約 80%を製造している

  • 枡の歴史は 1300 年ほどあるが、大垣市で製造が始まったのは明治時代のこと

  • 職人さながらの本格的な枡づくりが体験できる工房もある

取材協力

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大橋量器

1950(昭和 25)年創業、国内シェア No.1 の枡メーカー。通常の枡だけでなく、五角形の枡や枡の加湿器(かしつき)など、多彩(たさい)な商品を販売しています。工房内でできる枡づくり体験(2~10 月のみ)は、10 日前までに要予約。

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