
第19回『台湾ラーメン』
目次
台湾(たいわん)ラーメンは台湾にはないって知ってた?
台湾ラーメンはまかないから生まれた!
台湾ラーメンとは、「なごやめし」のひとつとして知られる激辛(げきから)ラーメン。とりガラベースのすっきりとしたスープに、トウガラシとニンニクで炒(いた)めた激辛ミンチがたっぷりとのっているのが特徴(とくちょう)です。
口に入れた瞬間(しゅんかん)からヒリヒリとした辛さにおそわれますが、食べているうちに不思議とクセになってくる味わいが人気です。
台湾ラーメンが誕生(たんじょう)したのは、昭和40年代ごろのこと。名古屋市千種(ちくさ)区今池にある台湾料理店「味仙(みせん)」の創業者(そうぎょうしゃ)・郭明優(かくめいゆう)さんによって考案されました。台湾の「担仔麺(たんつーめん)」を、店のまかないとして激辛にアレンジして作ったのが始まり。その後、郭さんが台湾出身であることから
「台湾ラーメン」と名づけ、お客さんにも出すようになったのだそうです。
最初は常連客の間で親しまれていた台湾ラーメンですが、昭和50年代の激辛ブームがきっかけで多くの人に知られるようになりました。ブームとともに店の知名度が上がっていくと、味仙で修業を積んだ人や、台湾ラーメンを食べて影響(えいきょう)を受けた人が、台湾ラーメンの店を続々とオープン。
今では、名古屋市内・愛知県内の中華(ちゅうか)料理店やラーメン店などで、メニューにならぶほど有名に。そして全国的にも知られる「なごやめし」へと成長していったのです。
台湾ラーメンのルーツ「担仔麺」って?
- 台湾の定番屋台メニューで、さっと食べることのできるファストフード
- 小ぶりの茶碗(ちゃわん)にもりつけられた麺料理で、あっさりとした味わいが特徴
- 一般的(いっぱんてき)には中太麺で肉そぼろやエビ、ニラなどのトッピングが基本
元祖台湾ラーメンの味を体感してみよう!
写真提供:なごやめし普及促進協議会
台湾ラーメンは、名前に「台湾」と付いていますが、味仙でまかないとして誕生した料理なので、台湾に実際にあるわけではありません。ルーツでもある「担仔麺」も辛くないそうです。つまり、名古屋で生まれ、名古屋から発信されたご当地ラーメンと言えるでしょう。
名古屋をおとずれたなら、台湾ラーメン発祥(はっしょう)の店で、本場の味を楽しんでみませんか?味仙の台湾ラーメンは、スープのうまみと辛みのバランスのとれたおいしさが人気のポイント。今池本店のほかに、名古屋駅や大須(おおす)など名古屋市内に多くのグループ店を展開(てんかい)しています。店ごとにトウガラシや調味料などが異(こと)なるので、それぞれの味のちがいを楽しむのもおもしろいですよ。
台湾ラーメンだけでなく、青菜炒めやチャーハンなど豊富な中華料理がそろっているので、ファミリー客の利用も多いそうです。辛いのが苦手な人は、辛さひかえめの台湾ラーメン「アメリカン」というメニューもあるので、好みにあわせて試してみてくださいね!
ランランちゃんの
今日のまなび
-
台湾ラーメンは、味仙の創業者が台湾料理の「担仔麺」をアレンジして誕生した
-
昭和50年代の激辛ブームがきっかけで有名になった
-
現在では、愛知県内にある数多くの中華料理店やラーメン店で味わうことができる