※本インタビューは1月に実施したものとなります

いよいよプロ野球も開幕間近。2023シーズンのドラゴンズはどんな戦いを見せてくれるでしょうか。野球解説者の井端弘和さんに2023シーズンの展望を3回シリーズで占ってもらいます。2回目のテーマは、開幕スタメン。トレードや新外国人選手の加入など、野手の顔ぶれがガラッと変わっているだけに、誰が開幕スタメンの座を勝ち取るのか、井端さんが願望もこめて予想してくれました。

第1回はこちら

今年のドラゴンズは一味違う！新たな顔ぶれが加わった予想スタメン

話を聞いたのはキャンプイン前のこと。「キャンプ次第ではガラッとメンバーが変わる可能性もあります」と前置きした上で、開幕オーダーを予想してもらいました。予想というより願望とも言えるメンバーは次の通りです。

1番 センター 岡林勇希

2番 レフト 大島洋平

3番 サード 石川昂弥

4番 ライト アリスティデス・アキーノ

5番 ファースト ダヤン・ビシエド

6番 セカンド 村松開人

7番 キャッチャー 木下拓哉

8番 ショート オルランド・カリステ

少し意外と思える選手もメンバーに入っていますが、井端さんがポイントにしているのは「今までとは違うチームになったとインパクトを与える」こと。

ちなみに、2022シーズンの開幕スタメンは1番大島、2番岡林、3番福留孝介、4番ビシエド、5番木下、6番阿部寿樹、7番石川、8番京田陽太、というオーダーだったことを考えると、井端さんの予想スタメンは顔ぶれも打順も随分変わったような印象を受けます。

すでにアップされている『井端が斬る！ ドラゴンズ2022 野手編』でも述べているようにドラゴンズの課題は打線。いかに点を取るのかがカギとなります。相手ピッチャーに「今年のドラゴンズは違う」と印象を与えるためにも開幕戦で誰をどのように起用するのかは見もの。今年の立浪ドラゴンズの戦い方が見えてくるのではないでしょうか。

新4番候補は新外国人のアキーノ。5番ビシエドで破壊力がアップ

ここからは主な選手に対する井端さんの期待を聞いていくことにしましょう。

井端さんがトップバッターに選んだのは、2022シーズンにスタメンに定着し、最多安打のタイトルを獲得するなど大ブレイクした岡林選手です。井端さんは「ゆくゆくは3番を任せられる選手に成長してほしい」と期待をしています。「1番は制約が少なく比較的自由に打てる打順なので若手を起用しやすい打順です。岡林がそこに固執していると本人の成長もなく、チームも活性化しないので、ゆくゆくは手詰まりに。徐々に長打力を身につけていき、2〜3年後には彼が3番を打てるようになると、ドラゴンズは本当に強くなると思います」。そのためにも、実質2年目となる今年は岡林選手にとって真価が問われる年。更なる飛躍に期待しましょう。

井端さんが3番に推したのは石川選手。左膝の大けがからの回復具合が気になるところですが「どうせ使うのであれば早いうちから使った方が良い」と話します。「ドラフトで3球団が競合するなど、間違いなく大きな可能性を持った選手。東京ヤクルトスワローズの村上（宗隆）選手と一緒で、こういう選手は1軍で我慢して使っていたら勝手に育つのでは。高橋（周平）選手との競争になると思いますが、膝が万全なら多少打てない時期があっても使い続けてほしいですね。あとは首脳陣がどれだけ我慢できるかにかかっていると思います」

チームの顔とも言える4番は、長年ビジエド選手が務めていましたが、5番が良いと井端さんは話します。「タイプ的にもそうですし、チームが変わったというインパクトを与えるためにも、ビシエドは4番では使わない方が良いと思います。予想では5番にしていますが、3番でも良いですし、6番あたりで使えたら、かなり強力な打線になりますよね」

その代わりとして4番に据えたいのは新外国人のアキーノ選手です。「メジャー5年で40本以上のホームランを打っているだけに、当たれば飛びますね。あとは性格。バリバリのメジャーリーガーでも日本に来ると打てなくなる選手はいるので、うまく日本の野球に順応してほしいですね。私が現役の頃、一緒にプレーしたタイロン・ウッズ選手も自由そうに見えて、規律を守り練習はしっかりやっていました。真面目そうな選手ですし、うまくハマればタイロンとまでは行かなくても、ある程度はやってくれるのではないでしょうか」

ここで名前の挙がった選手の他にも、立浪監督から「キャンプのMVP」と評価された新加入の細川成也選手、ようやく大器の片鱗を見せ始めた2021年ドラフト1位のブライト健太選手などイキの良い若手が多数出てきて、チームが活性化しています。

いったい誰が開幕スタメンの座を勝ち取るのか、みなさんも楽しみに予想してみてください。