Nコンパスネット　第6回

#年金
#コラム
#おとなのマネー講座
#西村栄子
2023.08.18

今回は誰もが必ず悩む年金のお話です。

年金、悩みますよね。
本屋さんでは年金のアドバイス本が沢山積まれています。
でも何を読んでも、わかったような？わからないような？
私の講座でも、受講生からの質問で多いのが年金で、中でも「年金はいつ受給を始めたら1番お得ですか？」がダントツです。
今回は、その答えからスタートしますね。それは・・・
「わかりません！」
です。
なぜなら年金は「みんなー！○○歳から受給スタートするのが1番お得だよー！」というのがなく、定年後の働き方や資産、予測される健康寿命や持病、独身か既婚か。状況により1人ひとり受給金額も資産に合わせたベストなタイミングも違い、10人いたら10通りのパターンがあります。それだけ年金は難しく複雑といえます。
知人に気軽に相談できる内容でもなく、かといって放ったらかしには出来ない。JIVE世代の生活に大きく関わるのが年金です。

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/001027360.pdf「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

ところで皆さん、「周りはいつぐらいに年金を受給しているのかな？」
気になりませんか？その数字が上の表です。
全体の98％は基準の65歳で年金の受給をスタートしています。
「ふむふむ、年金の改正がナンダカンダあっても、結局はみんな65歳で受給しているんだな」
しかし、年金は繰上げも繰下げも年々確実に、数万人単位で増えています。
今後もこの数字は伸び続けると予測されますが、それには様々な理由が考えられます。

70歳以上でも加入期間によっては働いて、任意で厚生年金の加入期間を延長することができます。そうすると受給金額も増えますよね。70歳はまだまだ元気で働く人も多いので、「働けるうちは働いて年金を増やす」も可能です。
また繰下げで最大84％も受給額を増やすことができ、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰下げて受給もできます。

他の収入がある場合は、税金にも注意しましょう。
夫婦世帯（配偶者控除あり）の場合は所得が82万8千円以上（65歳以上は年金収入で192万8千円、65歳未満は147万円）、
単身の場合は所得が38万円以上（65歳以上は年金収入で148万円、65歳未満は98万円）、で課税対象になります。

所得が48万円以下（65歳以上の場合年金収入で158万円、65歳未満の場合は108万円）であれば所得税は課税にならず、所得税や住民税の配偶者控除または扶養控除の対象となります。
ここで注意するのは課税対象ギリギリの方です。ボーナスがある方はそれも含めた年収ですから、残念な思いをしないようしっかり調べてから受給手続きしましょう。

厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/001040881.pdf「令和5年度の年金額改定についてお知らせ」

令和5年度の改正について。
物価の上昇に合わせ受給金額がアップしました。物価がどれくらい上昇しているか、日々の暮らしでも十分感じているのではないでしょうか。いつの間にか数も減り、小さくなったあのお菓子。庶民の味方だと思っていた食材も、味方ではなく文字通り高値の花になったり。

年金額がアップしたのはありがたいですが、国民年金で月1,434円、厚生年金の夫婦平均で4,889円。正直、「これじゃ足りないよ〜」ですよね。

65歳以上夫婦2人の1ヶ月の平均生活費は、最近少し下がって22万円ほど。65歳の1人暮らしは平均13万円。(厚労省調べ)。
余裕のある生活には資産運用、元気なうちは働いてお財布を増やす、生活を見直す、少しでもお得な情報を意識する生活が良いでしょう。そのヒントをこれからもコラムやセミナーでお伝えしていきますね。