
脱力模型鉄道倶楽部 第8回
脱力模型鉄道倶楽部の山田と申します。今回は「ジオラマの風景」についてお話ししたいと思います。
「こんなジオラマを作ってみました」と公開したり、「次回のジオラマ製作講座ではこんなジオラマを作ります」と完成見本をお見せすると、たいてい尋ねられるのは「これはどこの風景ですか?」ということです。
その答えはといえば、今まで私が作ってきたNゲージのジオラマやレイアウトの8割、いや9割方、「私の頭の中の風景です」ということになります。
その答えに対し、「は?」という反応が返ってくることもしばしばですが、私だけでなく、本コラムをリレーしている稲見氏も、いや、稲見氏に限らず昔も今も大抵のモデラーが作るジオラマ風景は概ねそういうものなのです。
何故かといえば、鉄道模型のモデラーは、自分が鉄道のオーナーになり、自分の好きな車両を好きな風景の中で走らせたいという願望を持っているからです。
「頭の中の理想の風景をよくこんなリアルな形にできますね」と驚かれることもありますが、モデラーも含めた鉄道ファンというものは2本のレールが敷いてあれば、その周囲を無意識に眺めるのが習性で、そうした積み重ねが具現化してジオラマになるといっても良いでしょう。
しかし、一方では架空の風景ばかりでなく、自分が慣れ親しんだ風景や旅先で感動した風景をジオラマにする、あるいは鉄道会社さん主催のジオラマ体験でその会社線にある実在の風景を製作する、といったこともあります。とはいえ、限られたスペースの中で実在の風景を再現するのもなかなか難しいところがありますので、いかに実風景の特徴を捉え、模型化のアレンジを加えた表現ができるかという点がポイントになります。
自分オリジナルの風景であっても、実風景をモチーフにする場合でも、まず求められるのは表現力(工作力)であることはもちろんですが、それ以前に身に付けていなければならないのは観察力です。
常に鉄道の線路周り、鉄道施設の構内は言うに及ばず、「鉄道のある風景」をしっかり見て自分に蓄積する習慣づけのようなものが、良いジオラマを製作する何よりのトレーニングと言えるかもしれません。
桜満開の長閑な春の小駅を想像し、形にしてみました。
地下鉄と私鉄線が相互乗入れし高速で行きかう風景を想定しています。
JR名松線を取材し、雲出川沿いを走る実在の風景をアレンジしました。
いかがでしたか?
少しでも興味を持っていただけましたら過去のコラムも配信中ですので、ご覧いただけましたら幸いです。
様々なジャンルのコラムや趣味の幅を広げるコンテンツがClubJiVEにはあります。この機会に見て、参加してみてくださいね。

活動概要
大人の趣味として静かな人気のある「鉄道模型」。鉄道模型には、好きな車輛の模型を眺めて幸せな人もいれば、自分の好きな鉄道風景をジオラマで形にすることが楽しみな人もいます。この倶楽部では、鉄道模型の初心者からベテランまで、鉄道模型をどのように楽しむかも自由です。掲示板での情報交換や OFF 会(鉄道模型運転会や模型製作講座など)によって、新たな刺激と趣味を通じた楽しい交流を創出していきたいと考えています。
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